シロアリを一匹見かけたら、それはりっぱな危険信号!
簡単な見分け方から早期発見のコツや被害例まで、シロアリ先生がわかりやすく解説します!
夏の夜、たくさんの“ハネ”の付いた蟻が室内に入ってくると、「もしかしてシロアリ!?」・・・と心配になります。
でも慌てないでくださいね。
普通の蟻もシロアリもほぼ同じ時期に羽アリとなって巣分かれのため飛び立つので、“ハネが付いた蟻”=“シロアリ”とは限らないのです。10倍程度の虫メガネを用意して、まずは自分で確かめてみましょう!!
シロアリ | アリ(羽アリ) | |
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ハネ |
前後の“羽”がほぼ同じ大きさ、同じ型。 |
前羽の方が後羽より大きい。 |
胴体 |
頭・胸・胴の見分けは付きますが、 |
胸と胴の間がはっきりくびれています。 |
触覚 |
真珠のネックレスのように小さなタマが |
直線的で、内側に向かって“く”の字状に曲がっています。 |
①羽アリが飛び出してきた
4月~5月頃にヤマトシロアリ、6月~7月頃にイエシロアリが飛び立ちます。これが人前に姿を現す唯一のチャンスです!
巣から飛び出した羽アリが地上に降りてハネを落とし、雌と雄がカップルとなり巣をつくり女王と王になります。
②リフォーム中に、木材の中に土砂(蟻土)を発見!
シロアリは適当な湿度を好むので、木材の割れ目や継ぎ目に排出物や土砂(蟻土)を運んできて、盛り上げたりトンネルにしたりします。
③タタミの張替えや、タンスの移動、押入れの整理をしていると・・・
シロアリは床下から床板を食い荒らし侵入します。そして、その上にある畳や家具なども侵食してしまうのです。
④床を踏むとなんだかフワフワ。気のせいか建てつけが悪くなったみたい。
シロアリ被害が進むと、畳や床板がなんとなくくぼむ感じがしたり、ふすまや障子、雨戸の建てつけが悪くなったりします。
⑤柱などの木部を叩いてみたら、ボコボコと空洞音がした。
シロアリは木材の柔らかい部分を好んで食べるので、表面上はわからなくても実は食害されていた!ということもありえます。
⑥これってもしかして、シロアリの糞!?
アメリカカンザイシロアリやダイコクシロアリは、乾燥した木材だけを食害して被害材の外に糞を排出します。
糞は真ん中が凹んだ米俵状をしています。
目をそむけたくなる写真ですが、これがシロアリ被害の実態です。
こんなことにならないためにも、早めに発見と的確な調査・対処がとても重要になります。
柱の中が食われて空洞に。指で押すと凹み砂が出てくることも。
土台の木材が激しく侵食され、床下全体がボロボロに。
見てわかるほどに、大引に侵食が拡がり耐久力を失っています。